フランス語の否定文の歴史


フランス語の否定文の歴史

私は古い言語や文章などにに興味があって、言語に関する色々な本を読んだのですが、フランス語の先生として、一番面白く感じたのはフランス語の否定文の変化の歴史です。
すごく面白いのに、現在のフランス人でも知る人が中々いないと思います。

英語の「not」日本語の「~ない」のように、言語において文章に否定語は1つですが、フランス語は「主語+ne+動詞+pas」と2つの否定語があります。

なぜ、フランス語は2つなのか? 以前からとても気になっていました。

それが解明されたのです。

昔はJe ne mange.のように「pas」がありませんでした。
そこで程度を表す「全く~ない」のニュアンス表現で
Je ne mange miette. (パンくずさえも食べない)
Je ne bois goutteしずくさえも飲まない)
Je n’avance pas. (一歩も進まない)
などと表現していました。

それから使いやすさ、発音しやすさなど推敲に推敲を重ね、「ne」に加えて「pas」が使われるようになりました。

しかし、現在のフランス人の日常会話では、「pas」しか使わないんです。
 Je mange pas. のようにね。

会話でne+pasの2つあると不自然になり、だんだんpasだけになりました。
もちろん、強調したり試験や文法上だったりしたらne+pasですけどね。
会話は生き物。
常に変化していくところが醍醐味でもありますね。
ダミアン
ラブレフランス教室